日本顎咬合学会(東京)

この土曜、日曜日で、当院の歯科医師5名 歯科衛生士3名で学会に参加してきました。毎年恒例のこの学会ですが、この二日間でいろんな講演を聞きましたので、その報告を。

まずは、一つ目のテーマは、健康長寿のために出来ること(Dr河原英雄) 
今までの、術者本位の義歯治療ではなく、患者さんの観点からの義歯の評価を行うことや、高齢者の日々の喜びを支えるのは、美味しくご飯をして、おしゃべりをしたり笑うことで、そういったことが一緒に生活する家族にとっても大切なことで幸せにつながることだと、また大切なことは、健康な時に食べられる口つくりが必要だと、それが健康寿命を伸ばすことにつながるとの内容で、これからの更なる高齢化社会に向けて興味深い内容でした。

二つ目は、長寿社会と歯の健康(田中秀一)
かみ合わせが悪くなると認知症になりやすくなったり、寝たきりになることに繋がる、健康でいるためにかみ合わせがよくすることが大切だと。ほかに、「奥歯がないと動脈硬化は2倍になる」「BMI30以上だと、死亡リスクが高まる逆に痩せすぎても、リスクが高まる、BMI23から27くらいの少し太めのほうが長生きできることなど、今までの概念とは異なる結果で、面白い内容であったと、逆に今の日本人には、メタボより、口腔ケアが必要な人が多いという

三つめは、口は命の入り口(Dr増田純一、小児矯正歯科医)
噛むことの原点は哺乳期 離乳期にあり、この時期の食事の食べ方が大きく影響するとのこと。またそのあとの乳幼児期の食べ方、噛み方、かみあわせがとても大切で、それが生涯のかみ合わせと健康につながるととのこと

四つ目は、小児期の咬合育成にかかわる諸問題(Dr山崎要一、日本小児歯科学会理事長)
この先生の面白かったことは、成長期の咬合の育成には、小児歯科医として虫歯の治療するだけでなく、矯正治療、外科処置などの包括的なアプローチが出来なければ、小児歯科を標榜してはいけないなど、なるほどなと思わせてくれる内容でした。当院でも小児の虫歯だけでなく、矯正治療、外科処置などを含めたアプローチによりより良いかみ合わせにすることにより健康な状態に持っていけるよう取り組んでいきたいと改めて感じました

五つ目は、歯内療法のために、できること、すべきこととは?(Dr阿部修)
どのようにしたら、日常の歯内療法の質を高めていくのかについて、詳細に説明してくださり、勉強になりました。EDTAによるスミアー層の除去、オキシドールとの交互洗浄、交互洗浄といっても、根尖部に気泡が残り、取りきることは一般的に難しい、ということは 根尖部まできちんと洗浄することが難しいということになる、その解決方法など。

六つ目は、私が考える難症例への対応 (Dr倉富覚)
今までの自分の経験では対処できないようなことがおこる、いわゆる難症例に遭遇すると自信を喪失し、心が折れそうなることがある、しかし最近は歯科用CTなどの普及により、今までのレントゲンでは見えなかったものが、CTにより見えるようになる。また 感染根管と非感染根管では、アピカルシートの位置を変える。デンタルでは、感染根管の歯根吸収はわからない。そのためそれを考慮した形成が必要となる

七つ目は、GPのためのシステマティックな歯内療法の確立(Dr平井順 日本歯内療法学会指導医)
根管内の感染源や起因因子の徹底的な除去をおこなうことによって、最終的には 3次元的に確実に封鎖することができ、そういったことが大切だと。

八つ目は、歯周外科 おさえておきたい7つのつぼ (Dr樋口琢善)
当院には、他院でおこなったインプラントがインプラント周囲炎にかかって、当院に相談されるケースが時々あるのですが、そういった場合に、あまり手を出す先生は少ないと聞きます。しかしそれでは患者さんの悩みは消えない。そういった場合でも対応していきたいと考えています。そのためには、対応できる技術と知識が大切になります。しかしこういった場合の対処法は、現在確立しているわけではありません。しかし、いろんな手法を多くの先生を臨床にて試みてきました。その中で、多くの高名な歯科医師の講演を聞いた上で、自分がベストだと思う方法を 当院で取り入れるようにしています。10人の歯科医師がいたら、10の考え方があるともいわれます。しかし大切なことは、患者さんの悩みを取り除くこと、喜んでもらうことなのだと思うのです、そのために我々は存在する。来てくださった患者さんの笑顔を見られるように、日々研鑽を積んでいく必要があると考えています。いろいろ長々と書きましたが、今回の学会は、僕自身にとっても、一緒に行った当院の歯科医師、歯科衛生士にとっても とても価値のある時間であり有意義な時間を過ごすことができ良かったと思っています。当院の衛生士は、とてもモチベーションが高く、患者さん思いであり、本気で自分たちの医療で患者さんを良くしたいと強く思っている。そんな素晴らしい歯科衛生士と共に、当院の予防を盛り上げ、来てくれている患者さんたちの健康寿命を伸ばしていくことこそ、我々のやるべき使命だと考えています。集合写真1