ドライマウス*

「口や喉がかわく」と訴え、口腔外科や歯科を訪れる人が増えています。
この「ドライマウス」、不快なだけでなく、実は、口の中の様々なトラブルの原因にもなっていると言われています。

唾液の分泌量が低下する主な原因には、加齢のほか、ストレスやうつによる自律神経の乱れが挙げられます。糖尿病やシェーグレン症候群といった、病気の症状の一つとして唾液が出にくくなることがあります。
また、鼻の病気などに伴う開口癖、口呼吸によって唾液が蒸発しやすい状態になり、乾きを感じる人もいます。
中でも、特に多いのは、ストレスやうつによるドライマウス。人前で話す時などに緊張して口の乾きを感じることがありますが、これは緊張で交感神経の働きが強くなり唾液中の水分が減るために起きる現象。ストレスがかかると交感神経が強く働くため、口の中が乾きやすくなります。
ドライマウスになると「物が食べにくい」「話しづらい」といった不便さを感じますが、症状はこれだけでありません。
唾液には、

●口の中の細菌の増殖を抑える「抗菌作用」
●食べかすなどを洗い流す「浄化作用」
●口の中をなめらかな状態にする「潤滑作用」
●口の中の酸を中和する「緩衝作用」
●歯の表面を修復する「再石灰化作用」
といった働きがあります。
こうした働きが弱まるとさまざまなトラブルにつながるので注意しましょう。
例えば抗菌作用の低下で細菌が増えれば、口臭も発生しやすくなりますし、歯が再石灰化されにくいと虫歯にもなりやすくなります。

また、ドライマウス患者に多い「口腔ガンジタ症」はもともと口の中に存在するガンジダというカビの一種が抗菌作用の低下によって増殖し、発症するもので、抗真菌薬での治療が可能なので、舌や口の粘膜が赤くなったり、口角がただれたりして痛みを感じる場合は、歯科や口腔外科を受診してください。

馬場

 

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