キシリトールとフッ素の違い

こんにちは(^^♪

ただこし歯科クリニック大野です。

最近、キシリトール入りのガムや食品がたくさん売られています。キシリトールは虫歯予防効果が実証されている天然の甘味料で、主に北欧で三〇年ほど前から虫歯予防に使われてきました。

キシリトールは、白樺や樫の樹木からとれるキシラン・ヘミセルロースという糖分から作られています。虫歯は、ミュータンス菌などの虫歯菌が糖分をとって酸を発生することがきっかけで作られますが、キシラン・ヘミセルロースは他の糖とは違い、ミュータンス菌に食べられても酸を作りません。プラークを減らし、ミュータンス菌の働きを弱め、虫歯になりかかった歯のエナメル質を再生し、またプラークの中にカルシウムを取り入れる働きもあるので、歯の再石灰化も促進されると考えられています。また、キシリトール入りのガムは、噛むことで唾液がたくさん分泌されるため、唾液に含まれるカルシウムやリン酸が歯を強くしてくれます。

キシリトールの安全性については、世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)も認めています。注意点としては、キシリトール入りの商品には他の甘味料も使われている場合があるため、「砂糖」「水あめ」といった表記のある物はなるべく寝る前や歯みがき後に食べることはやめましょう。

一方、フッ素は、鉄やカルシウムのように自然の中にある微量元素(ミネラル)です。緑茶や紅茶、海藻類、魚介類などに多く含まれ、歯や骨を丈夫にする栄養素です。

歯質を強くし、プラークの生成を抑え、歯の再石灰化を進めるなどの虫歯予防が認められており、フッ素液を直接塗ったりスプレーしたり、フッ素入りの歯磨き粉やうがい薬として使うことが推奨されています。アメリカの州によっては、水道水にも加えられています。

フッ素は歯自体を丈夫にできるので、キシリトール以上の虫歯予防効果を期待できます。とくに子どもの虫歯予防に役立つといわれています。ただし、プラークを取り除いてくれるわけではありません。

 

キシリトールもフッ素も、あくまで歯みがきをサポートする物だと考えておきましょう。  大野

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